理事長あいさつ

新たな時代の防衛技術発展への寄与を目指して


 防衛技術協会は、防衛に係る技術研究開発の振興を図り、我が国の防衛基盤の育成強化に寄与することを主たる目的として昭和55年に発足し、時代の流れとともに環境が大きく変化する中、歴代理事をはじめ、関係者の皆様のご努力、ご協力によりその基盤も着々と整備され、活動も強化されてきました。

 また、平成24年4月の公益法人制度改革による一般財団法人へ移行し、新しい制度の下での活動の拡大と深化に努めて来たところです。


 さて、我が国を取り巻く安全保障環境はこの数年で大きく変化しました。北朝鮮の弾道ミサイル・核問題、尖閣諸島問題、南シナ海問題等、懸念事項が積み重なり一進一退を繰り返しております。

 一方、近年における我が国の厳しい財政事情、防衛装備システムの高度化・複雑化に伴う単価や維持・整備経費の上昇、海外企業の競争力強化など、防衛力整備を巡る環境は厳しい状況に直面しております。

 また、民生技術分野ではAI、Autonomyに代表されるような分野で急激な技術革新が進んでおりますが、これらの技術の多くはデュアルユース技術として進展してきていることも大きな動向です。

 こうした変化を受け、防衛装備庁ではこれらの技術の中からゲームチェンジャーになりうる技術を発掘し強化するという観点で防衛技術戦略が策定されました。


 米国では、最近、国家安全保障戦略及び国家防衛戦略が発表されましたが、今後劣勢になることが予想される米国のパワー投射能力を新たな技術革新等で開発して軍事的優勢を保つという第3のオフセット戦略構想が注目されています。


 防衛技術を巡っては、かつて軍事の情報革命と言われた時代と同様な変革が今起きつつあることの認識と、技術動向をしっかり見極めることが今求められていると考えられます。


 防衛技術協会は、防衛関連企業を賛助会員とする6つの研究部会が国内の防衛技術動向に加え、海外の関係技術シンポジウム、展示会等へ参加して、最新の防衛装備品及び防衛技術の現状と将来動向に関する調査研究を行っております。また、防衛用途として期待される先進的なデュアルユース技術の動向調査も実施し、これらの成果を、防衛省を初めとする関係省庁、防衛産業関係者の皆様へ報告してきたところであり、これからも重点をおいて活動してまいります。

 また、防衛技術ジャーナルは、研究部会の調査報告に加え、防衛技術、デュアルユース技術分野に携わる経験豊富な識者を執筆陣にお迎えした技術総説等で広く防衛技術の現在・過去・未来を情報発信し、防衛技術の進展に寄与することを目的として月刊でお届けしております。


 今まさに、新たな時代が始まりつつある防衛技術研究開発の発展への寄与を目指して当協会の活動を推進してまいる所存ですので、関係者の皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げます。


一般財団法人 防衛技術協会
理事長 槇原 伸一